音楽で酒がうまくなる?オンキヨー、「加振酒」で新特許を取得!
こんにちは。
音楽とお酒。どちらも人の感性に訴えかけるものですが――
この二つを技術で融合させて新しい価値を生み出しているのが、老舗オーディオメーカーの「オンキヨー」です。
2025年6月、オンキヨーは「音楽振動を使ってお酒を熟成させる技術(=加振酒)」に関する新たな特許を取得したと発表しました。これはまさに、オーディオ技術の知見を活かしたアプローチ。いったいどんな技術なのでしょうか?
「加振酒」とは?音楽の力で味が変わる?
「加振酒(かしんしゅ)」とは、読んで字のごとく――
音の振動(加振)を用いて熟成されたお酒のこと。
オンキヨーは2020年からこの取り組みを始め、2021年には「Matured by Onkyo」のマークが付いた商品を販売開始。なんと実際に音楽を聴かせて醸造されたお酒が登場したのです。
しかもその音楽は、いわゆる「ハイレゾ音源」。人間の可聴帯域を超える高域成分を含んだ音楽をお酒に聴かせることで、発酵過程などに影響を与えているとのこと。
今回の特許、その中身は?
オンキヨーが今回取得した特許(特許第7698211号)は、
ハイレゾ音源を用いてお酒に振動を与える仕組みに関するものです。
これにより、お酒を熟成させる際に、より広い周波数帯域での振動制御が可能になり、素材の持ち味を最大限に引き出す熟成プロセスが実現できるといいます。
特許情報(2025年6月17日登録)
発明の名称:システム、方法、製造方法、食品、及び、清酒
特許番号:特許第7698211号
出願日:2022年4月5日(特願2022-062770)
この特許により、単に「音楽を聴かせたら美味しくなった」ではなく、科学的・技術的な裏付けに基づいた加振酒の価値が高まることになります。
実は複数の特許を取得済み
オンキヨーは今回だけでなく、これまでも加振酒に関連する複数の特許出願・取得を進めています。例えば:
・発酵過程における状態変化に応じて振動の与え方を調整する技術(特許第7620208号、2025年1月登録)
・浸漬酒(素材を漬け込んだ酒)への応用技術、など
このように、オンキヨーは「音のプロ」としての技術を食品分野にも応用しており、単なるアイデアでなく、明確な知財戦略のもとで加振酒を展開しています。
筆者のひとこと
「音楽を聴かせたお酒が美味しくなる」――そんなロマンのある話に、技術と特許という確かな裏付けを加えたオンキヨーの加振酒。今後は日本酒に限らず、ワインや焼酎、その他の発酵飲料(食品)への展開も期待できそうです。
出典1:オンキョー株式会社 プレスリリース https://www.onkyo.net/news/20250623_patent
出典2:特許情報プラットフォーム https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2022-062770/10/ja