2025年7月10日、ファミリーマートは全国500店舗に向けて、AIを活用した発注支援システム「AIレコメンド発注」の運用を開始したと発表しました。
これまで経験や勘に頼っていた発注業務を見直し、精度の高い需要予測と品揃えの最適化提案によって、販売機会の損失や廃棄ロスの削減を目指すものです。
出典:ファミリーマート公式HP
https://www.family.co.jp/company/news_releases/2025/20250710_01.html
1.システムの特長
・高精度な需要予測
過去1年分の販売実績に加えて、店舗周辺の通行量や気象データ(気温・湿度・降水量など)、祝日などのカレンダー情報も組み合わせ、日別・配送便別・商品単品別に需要を予測します。
・「お手本店」機能で品揃え最適化
利益率の高い類似店舗の売れ筋商品を参考に、自店舗でもその商品を提案。欠品や発注漏れの防止に貢献します。
・売場ボリュームの自動調整
次回の納品までに必要な在庫量を予測して陳列量を自動計算。欠品と過剰在庫の両方を防ぎます。
・業務効率の向上
発注作業時間を週あたり約6時間削減。AIによる推奨値は1日4回自動更新され、店舗スタッフが微調整することも可能です。
このシステムは、2025年末までにさらに多くの店舗へ導入が予定されています。
2.家庭の冷蔵庫への応用は?
このようなAI発注システムが、家庭向けの冷蔵庫にも応用される未来はそう遠くないかもしれません。すでに市場には、カメラや重量センサーを備えたスマート冷蔵庫が登場しており、AIによる在庫管理や自動発注も実用段階に入っています。
2-1.家庭向け冷蔵庫に応用した場合のメリット
・食品ロスの削減
家族の消費パターンを学習して、必要な分だけ購入・発注することで、無駄な買い物や期限切れの廃棄が減少します。
・買い物の効率化
在庫が減ったタイミングで、買い物リストを自動生成したり、ネット注文と連携したりすることで、日々の買い物の手間が軽減されます。
・家計と栄養の管理サポート
食材の消費頻度や栄養バランスをAIが可視化し、節約や健康的な食生活の実現にも役立ちます。
・多忙な家庭にぴったり
忙しい共働き家庭や子育て世帯でも、食材が切れて困るシーンが減るかもしれません。
・スマートホームとの連携
将来的にはレシピ提案や自動注文、スマート家電との連動など、“家庭の食品管理のワンストップ化”も夢ではありません。
2-2.導入における課題とデメリット
・コストの高さ
センサーやAI処理を行うための機器はまだ高価で、すぐに家庭に普及するにはコスト面がネックです。
・使いこなしの難しさ
食材を出し入れするたびに手動登録が必要な機種もあり、かえって手間が増える可能性も。
・AIの予測精度の限界
家族の嗜好の変化や突然の来客など、予測しづらい要素には対応しきれないこともあります。
・プライバシー・セキュリティへの懸念
食生活や購買履歴は非常に個人的な情報。クラウド連携を行う場合は、高いセキュリティ対策が不可欠です。
・過剰な管理によるストレス
AIによって「管理されている」と感じてしまうと、ストレスや抵抗感を持つ人もいるかもしれません。
3.まとめ
ファミリーマートの「AIレコメンド発注」は、膨大なデータを活用して業務効率化と食品ロス削減を両立する、非常に先進的なシステムです。
このようなAI技術は、将来的に家庭にも応用される可能性があります。
冷蔵庫や食材管理にAIを取り入れることで、多くのメリットが期待できますが、コスト・操作性・プライバシー管理などの課題もまだ残されています。
しかし、技術が進み、より安価で使いやすくなっていけば、“我が家のAI発注システム”が当たり前になる日も近いかもしれませんね。