ミスタードーナツが“食感”で勝ち続ける理由──55周年の新作「もっちゅりん」はなぜここまでヒットしたのか

ミスタードーナツ(ミスド)は、世代を超えて愛され続けるドーナツチェーンです。55周年記念商品「もっちゅりん」は、発売直後から品切れが相次ぎ、SNSでも大きな話題を呼びました。本記事では、ミスドの強さの理由と、もっちゅりんがヒットした背景を分析します。

1.ミスドの勝ち筋は“食感”にある
ミスドの強みは「食感」にあります。2003年に登場したポン・デ・リングは“もちもち食感”で一大ブームを巻き起こしました。その後も食感を軸にした新商品を次々に投入し、「食べて初めてわかる体験」を継続的に提供してきました。

2.もっちゅりん──“もちもちのその先”
もっちゅりんは、国産もち粉と米粉を配合した新生地に、フライ後のオリジナルコーティングを組み合わせることで誕生しました。味はきなこ・みたらし・あずき・黒糖&わらびもちと和素材に寄せ、幅広い世代に受け入れられる構成に。55周年という記念性も相まって、新食感×和素材×限定性という三拍子が購買意欲を強く刺激しました。

3.“話題化”の巧みさ(コラボ/キャラクター/グッズ)
ミスドはポケモン、ミニオン、ピエール・マルコリーニなど、多彩なコラボで知られています。商品だけでなく、限定グッズやパッケージ、店内装飾を組み合わせることで「イベント感」を演出。SNSでの拡散を自然に促し、来店動機につなげています。

4.全国網と本部機能でスケールさせる力
原材料や製法を本部が支援し、加盟店と連携して短期間で全国展開できる体制も強みです。話題の商品をスピーディーに大量供給できるからこそ、ヒットが“全国的な現象”になります。

5.デジタル化で顧客を逃さない(アプリ・ネット注文)
アプリのスタンプやクーポン、ネット予約・取り置きといった仕組みも充実。限定商品を「確実に買える」導線を整えることで、来店頻度と購買率を高めています。

6.まとめ
ミスタードーナツの成功は偶然ではありません。食感を武器にした商品開発、話題化の仕掛け、全国ネットワーク、そしてデジタル施策が有機的に結びついた結果です。もっちゅりんはその集大成ともいえる好例でしょう。

7.次の展開──秋の「いもくり」シリーズ
ミスドは新たな食感提案を止めません。2025年8月27日からは『秋のいもくり推しド合戦』が期間限定で登場。
・「さつまいもド」はしっとり&ねっとりの生地に、フィリングやブリュレの多彩な食感をプラス。
・「くりド」は新開発の生地で“ほくほく&しっとり”感を追求し、マロンホイップやマロン風味チョコで奥行きある味わいを実現。
秋の素材と複数の食感を掛け合わせたこの新シリーズも、ミスドらしい「食べて楽しい」体験を凝縮したものといえます。

出典1:もっちゅりん ニュースリリース(公式)
https://www.misterdonut.jp/businessinfo/news_release/pdf/nr_250528_01.pdf?utm_source=chatgpt.com

出典2:ミスタードーナツ 公式サイト(商品・歴史)
https://www.misterdonut.jp/enjoy/zukan/

出典3:あなたはどっち推し!?推しド合戦が開幕!旬の素材を楽しめる『さつまいもド』と『くりド』『秋のいもくり推しド合戦』 ニュースリリース(公式)
https://www.misterdonut.jp/businessinfo/news_release/pdf/nr_250821_01.pdf

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この記事を書いた人

Yoshiharu Takahashi(高橋)と申します。都内特許事務所で弁理士として12年以上、特許出願・FTO調査・無効資料調査など、累計2,000件以上の案件を担当。化学・バイオ分野を中心に、国内外の知財戦略をサポートしています。

食品・知財・経済の交差点から現場の知見を発信中。記事へのご質問や国内特許・海外特許のご相談は、お問合せフォームよりお気軽にどうぞ。

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