南オーストラリア、魚型の醤油容器を禁止へ:使い捨てプラスチック削減の一環

南オーストラリア州が、2025年9月8日(月)から、魚型の醤油容器を含む30mlの使い捨てプラスチック容器の販売・配布を禁止することを発表しました。この措置は、プラスチックごみによる環境汚染を減少させるための一環として、2023年に施行された使い捨てプラスチック製品の全面禁止に続くものです。

1.魚型容器の歴史と問題点
魚型の醤油容器は、1954年に日本の渡辺輝夫氏によって発明され、長年にわたり寿司のテイクアウトに欠かせないアイテムとなってきました。元々は陶器やガラス製でしたが、現在ではプラスチック製が主流です。しかし、その小さなサイズと形状から、リサイクル施設での処理が困難であり、適切に処理されないと環境中に長期間残留する可能性があります。

出典1:株式会社旭創業
https://www.asahi-so.co.jp/lunch/

2.環境への影響と政策の背景
南オーストラリア州の環境大臣、スーザン・クローズ氏は、「各魚型容器は数秒間使用されるだけでありながら、もし廃棄されれば数十年、場合によっては数世代にわたり環境に残り続ける」と述べています。この新たな禁止措置は、プラスチックごみによる海洋汚染の削減、炭素排出量の削減、そして海洋生物の保護を目的としています。

また、2023年にはスーパーマーケットでのプラスチック製買い物袋、ストロー、ドリンク用かき混ぜ棒、綿棒、紙吹雪などの使い捨てプラスチック製品の販売が禁止されており、今回の措置はその延長線上に位置づけられます。

3.日本と世界のプラスチック管理状況
日本は、プラスチックごみの管理において世界的に高い評価を受けています。特に、民間企業や自治体によるリサイクル活動の推進が顕著であり、国民の意識も高いとされています。例えば、家庭から排出されるプラスチックごみの分別収集率は高く、リサイクル施設の整備も進んでいます。また、企業によるプラスチック削減の取り組みも増加しており、再生可能な素材の使用や製品のリサイクル設計が進められています。

しかし、世界全体ではプラスチックごみの問題は依然として深刻であり、国際的な協力と政策の強化が求められています。日本もその一員として、引き続き積極的な取り組みを進めていく必要があります。

4.日本での今後の展望
日本でも、プラスチックごみの削減に向けた取り組みが進められています。例えば、2020年にはプラスチック製ストローの使用削減が呼びかけられ、飲食店や企業での取り組みが広がっています。また、自治体によるプラスチックごみの分別収集の強化や、リサイクル施設の整備が進められています。

今後、日本でも南オーストラリア州のような具体的な禁止措置が導入される可能性があります。その際には、消費者や企業、自治体が一丸となって取り組むことが重要です。

5.まとめ
・南オーストラリア州が、魚型の醤油容器を含む30mlの使い捨てプラスチック容器の販売・配布を禁止することを発表。
・この措置は、プラスチックごみによる環境汚染を減少させるための一環として、2023年に施行された使い捨てプラスチック製品の全面禁止に続くもの。
・日本でも、プラスチックごみの削減に向けた取り組みが進められており、今後の動向に注目。

出典2:BBC “Australian state to ban iconic fish-shaped soy sauce bottles”
https://www.bbc.com/news/articles/c1ejwgq3zw0o

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この記事を書いた人

Yoshiharu Takahashi(高橋)と申します。都内特許事務所にて弁理士として12年以上活動し、特許出願、FTO調査、無効資料調査など、これまでに累計2,000件以上の案件を担当してきました。主に化学・バイオ分野を中心に、国内外の知財戦略を幅広くサポートしています。

弁理士業務のかたわら、「食品×知財×経済」の交差点から現場の知見を発信しています。記事に関するご質問や、国内外特許に関するご相談は、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。特許のご相談については、フォーム送信後、所属事務所より折り返しご連絡いたします。

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